わたしが母から学んだ、日常に小さなしあわせを見つける習慣

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テンジク(ikinaritenjiku)です。

私の母は文章をよく書きます。
短歌からエッセイのようなものまで。

今日はそのうちのひとつをご紹介します。

なんとなく憂鬱という人がいたら読んでほしいし、そんな時に自分で読み返そうと思って記事にしました。

「ベランダの幸せ」

3年ほど前、大きなアボカドの種を植木鉢にぽんと入れていたら、忘れたころ芽が出た。
どんどん伸びて20センチほどになると先端に小さな若葉を広げた。それが今では私の背丈と同じ高さ。大きな葉は20センチもの長さになった。

時々水やりを忘れると、なきべそをかいた様にうなだれてしまう。「ごめんネ」とたっぷりの水をやると1時間ほどで元気な笑顔(?)を見せてくれる。
やがてカップめんの空容器も鉢代わりにする様になり、ベランダにはいくつものアボカドの木が立派な観葉植物として立ち並んでいる。

横のサンショウにはアゲハの幼虫がいて、いつの間にかさなぎになっていた。正体不明のつるがぐんぐん伸びて、それがカボチャとわかった時はおもいがけないうれしさであった。手のひらにすっぽり収まるかわいいカボチャを収穫した。お盆のお飾りにちょうどよかった。

やりくり苦しい生活であるが、こんな小さなベランダの中にも神様はささやかな幸せを見つけ出して下さる。もう結婚も遠くない娘に思いをはせながら、さなぎが美しいチョウになって元気に飛び立つ姿を見届けたいものだと思った。

こんな文章をよく書く母です。

お花を世話したり飾ったり、
お料理だったら少し緑を添えたり、
薬味をきれいに盛ること。

それは、なくても大した問題になるものではないのだけど、そういったほんの少しの心くばりって大切だなぁ、と感心します。

効率ばかり求めて無駄を省こう省こうとする私に、忘れてはいけないことを教えてくれます。

今日は嬉しいことがありました。

蝶の羽化を見たんです。

母の庭として緑で埋め尽くされているベランダにはよく芋虫がいます。
そりゃあこれだけ緑があるので小さな生態系も生まれますよね。
毎度のことなのですが、芋虫はおそらく鳥に食べられるか何かで蝶になる前にいつも行方不明になります。その度に守ってあれば良かったね、と家族は少しだけ後悔して、忙しい日常ですぐに忘れてしまいます。我が家では毎年、たくさんの行方不明者を出してしまったので今度こそと思い、次に芋虫を見つけた機会に、虫かごに入れてあげる事にしました。

その強運の持ち主がこの子です。

 

虫かごの中のどこでさなぎになるかな、と思っていたら、
この子は、脱皮という一生の大舞台の場に、虫かごのフタの裏を選びました。

本来なら、棒の様なものを立てたり、すのこの様なものを置いてあげた方が良かったそうです。飼育が適当ですまないとは思ったけど、こんな保護区で羽化できなかったら自然界でも厳しいだろうと、あとは放置。

10日後の今日に羽化しました。
羽が乾いてから放してあげて、高く高く飛んで行きました。

蝶を放してあげてから今日は一日あたまの片隅に、「ああ、本当に生まれた」という気持ちがぼんやりとあって不思議な感覚でした。

いや、やっぱりどう考えても、
これが

こうなるのが

不思議で神秘すぎて
軽く宇宙を感じるんだけど....

芋虫なんて、普段は無視する。なんなら視界にすら入らなかったりするけど、この子が幼虫の時から二週間の間はちょっとした楽しみがあったし、「本当に生まれるのかな」とかちょっと心配してみたり、ほんの少しの小さな幸せを抱えている様な二週間だった。

もちろん楽しみは他にもあるけど、この経験は、じんわりと自分の中にすぅっと沁み込んでいくように残った。

ここで言いたいのは、虫を育てようとか花を愛でよう、といった事ではなくて

自分の生活の中に、ちいさな幸せを探す習慣を心がけようという事。

これから梅雨の本番をむかえて雨の日が続くと、
なんとなく憂鬱だなという事がすこし増えるかもしれない。

冬の寒い日だってそう。

それでも24時間すべてが憂鬱ではないし

こんなにかわいいと思った芋虫が今までは私の視界に入らなかっただけで、

お金をかけずに少し楽しい気分になれるような事は、わりとすぐ近くにある。

だから私は、ちいさな幸せを探す習慣をたいせつにしたい。

憂鬱な気分が晴れる方法として、お金で解決できる事で払える範囲なら払う。
ただお金の使い方を間違えると、そこで得た経験は炭酸が弾けて消えるように自分には残りにくい

でも、今回の、蝶が本当に羽化するのかという不安も混ざった楽しみを抱えていた間と、無事に羽化した蝶の巣立ちを見送った経験はじんわりとどこかがぽかぽかと暖かくて今も続いている。そんな経験だった。

この二週間で少しずつ育んだような小さな幸せは自分の一部になって、大げさに言うと一生残る気がする。

一生をまだ終えてないけど、これは一生残るだろうなってことがわかっている、そんな不思議な感覚

私はこころが弱い

けど弱いから、弱くならないように
誘惑を断とうという気持ちと
楽しさを見つけようとする気持ちが人一倍つよい。

弱いことは悪いことじゃない。

弱いことに甘える事が悪い

今またひとついいことを見つけた。ご飯がおいしく炊けた。しあわせだ

大きな夢も叶えたいし
小さなしあわせも積み重ねていこう

そもそもしあわせに大きい小さいもなかった

しあわせだ

テンジク(ikinaritenjiku)

 

あなたの憂鬱がほんの少しでも晴れますように。

 

 

 

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