この国はまだ使える物を産業廃棄物として燃やす国。私がドラッグストアの仕事を辞めた理由

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写真:写真ACより

テンジク
こんにちわ!テンジク(ikinaritenjiku)です

今日は、私がむかし勤務していたドラッグストアを辞めた理由を書きます。

薬の販売免許(2類と3類)

ドラッグストアで働いてみたいなと思っている人の参考になればいいなと思います。

私がドラッグストアを辞めようと決意したのは、返品という作業をしていた時に何気なくメーカーの人と交わした会話がきっかけになりました。
まず、私がドラッグストアに勤務していた時の返品という作業の内容を振り返ってみます。

ドラッグストアでの返品作業

ドラッグストアでは様々な業務があるのですが、そのうちの一つに返品という作業があります。

ここでは、メーカーに商品を返すまでの一連の作業の事を言います。

返品の作業内容を簡単に説明すると『返品する商品を確認返品伝票を発行して箱詰め』の流れです。

この文章だけを見ると簡単そうに見えます。

ですが、ドラッグストアでの業務内容で私が覚えている限りでも、季節の変わり目には何かと返品作業に追われていた記憶があります。

この返品作業の時に、返す商品の個数を間違えたりすると、棚卸しで商品の在庫の数がずれてしまいます。

仕入の額も誤差が出て金銭的に損が出てしまったりもするので、なかなか神経を使う仕事でした。

特に、春夏と秋冬のシーズン商品の入れ替えの時は返品する商品の数も多く、返品作業に時間と労力を要します。

不良品だからという理由での返品もあれば、商品リニューアルに伴う返品など。

メーカーや商品によっては返品できない物もあったり、返品条件も様々です。

少々ややこしい商品もあったので、金で解決しようと思ってプリキュアのシャンプーを4つ自費で買い取った事もあります。

返品する商品は運送業者の人が集荷しに来てくれるか、メーカーの営業の人が直接お店に取りに来てくれる場合もあります。

ある日、会社の業務連絡で『この商品がリニューアルをするので返品をするように』という指示が出ました。

私はその指示の通り、全種類の品をメーカーに返品する為に箱詰めしていました。その時に任されていた作業で、私がいま覚えている限りの手順を書きます。

ドラッグストアでの返品作業の手順

返品作業の手順

  • 指定の商品を店内から回収する
  • 隙間が空いた商品の陳列棚を整える
  • 返品伝票を発行する
  • 返品する商品を入れる箱の準備
  • 商品を箱詰めする
  • 返品商品の出荷を待つ

まず、返品する商品を売り場から回収するという作業から始まります。

返品の手順1

指定の商品を店内から回収する

  • 売り場から返品対象として指定された商品を回収した後、商品がデータ上の在庫数と同じ数あるか確認する。
  • 店内にある商品の在庫数は、POSシステムというシステムで管理されており、何がいつ売れたとか、いくつ入荷したとかが事細かにわかる。
  • この時に商品が1〜3個ほど少ない場合は念のため店内をひと通り探してみる。
    大抵、棚の後ろに落っこちていたり、誰かスタッフがレジに置きっ放していたりする。
  • 万引き(窃盗)によって商品が足りない場合もある。
  • あまりにも商品の数が足りない場合は、店内か倉庫のどこかに在庫として保管されている事がよくあるのでそれを探す。

返品の手順2

隙間が空いた商品の陳列棚を整える

  • 回収した商品がない間は、商品の陳列棚に隙間が空いてしまうので他の商品をずらして隙間を埋める。
  • 既に、入れ替えの新商品が入荷している場合はプライスカード(値札)を印刷して新商品と一緒に差し込む。
  • 商品を陳列する場所は『棚割り表』といって、どの棚にどの商品を置くか細かく決められているので自分の判断で適当に置いてはいけない。
  • 値札がないまま営業をしているとお客様から値段を聞かれたり、クレームが入ったりする。
  • 値札を貼っていないまま営業をしていたり、棚割表の通りに商品が陳列できていない店を、各店舗を巡回するエリアマネージャーや上層部の人が見つけたらとりあえず店長が怒られる。

返品の手順3

返品伝票を発行する

商品名、数、JANコード(バーコードの番号)等が記載された、[返品伝票]という伝票をパソコンで作成して印刷する。

返品の手順4

返品する商品を入れる箱の準備

  • 返品する商品を入れる段ボールの空箱を用意する
    ※空箱の用意は返品作業日の数日前から行われたりします。空の段ボールを捨てずに取っておくんです。
  • 箱詰めする商品に対して、箱の隙間がスカスカにもギュウギュウにもなりすぎない、いい感じのサイズの箱を選ぶという、これがまた地味にセンス(?)が問われる。
  • A社の商品を競合B社の社名ロゴが入った段ボールに詰めないとかロゴを隠すという気遣いも必要。
    ※まあそこまでしなくても返品はできるけど...あまりする人はいません。

返品の手順5

商品を箱詰めする

  • 返品伝票を見ながら商品を箱詰めしていく。
    ※伝票の数の通りあるか間違えないようにチェックしながら作業する。
  • ガムテープで封をする。箱に返品伝票を貼って集荷を待つ。

ここで山積みになった箱は出荷されるまで店のバックヤードのスペースを圧迫したりします。

一筋縄じゃいかない返品

これらの作業を接客と並行しながら行う店舗もある

人手が足りている店舗の場合は、バックヤードでずっと作業だけに集中できます。

レジが混雑したり休憩をまわす場合は作業を中断して売り場に出ます。
そして売り場に出ると、お客様から商品についてよく話しかけられます。

店に問い合わせの電話や業務連絡も来るので、大抵は接客や電話対応と並行して作業を行う事が多いです。

かなりの頻度で中断しながら作業していました。

スペースを圧迫する商品

箱詰めした商品が出荷されるまでの間は事務所や倉庫のスペースをダンボール箱が圧迫します。

火災を予防する為の消防法を違反してしまう店舗も多いですね。

非常階段に荷物を置いていたので火災の時に逃げられなかったとかいうニュースを見かけた事がある人もいるのではないでしょうか。

「少しの間置こう」と思って物が徐々に増えていってしまった場合もあれば、「もうやむを得ずそこにしか置けない」という場合もたくさんあります。

「これは消防法に違反してしまっているだろうな。火災があったらヤバいだろうな」と薄々は思いながら働いていました。

働く側の言い分としては、

接客

新商品の売り場作り

薬の消味期限チェック

商品の補充・発注など

これらの作業に追われて消防法の事まで手がまわらないというのが現状です。

ショッピングモールや複合施設のテナントの場合は、施設の管理事務所に注意を受ける事もあります。場合によっては罰金が発生する事も。

正直に言いますと、当時は日々の業務に追われ、「片付けないと上司に怒られる」くらいの視野でしかものを考えられなくなっていました。

運送会社の人に集荷してもらうorメーカーの人に返品する商品を受け取りに来てもらって、やっと少しのスペースが空きます。

そしてスペースが空いては新たに入荷した商品がまた置かれ、また季節が来ればその商品を返品するの繰り返しでした。

<参考>消防法

メーカーのひと言で全身の力が抜ける

ある日、メーカーの人が私が梱包した返品商品をお店に受け取りにきました。

メーカーの人と会った時は大抵、情報交換も兼ねたひと言ふた事の日常会話をします。

私は、この時メーカーの人と交わした些細な会話がきっかけで、仕事を辞めようと決意する事になるのです。

ドラッグストアでのある日の日常会話

某メーカー
こんにちわー!お疲れ様です!

(営業なので常に愛想がいい)

テンジク
お疲れ様です。こちら返品の分です。よろしくお願いします。

某メーカー
おお、今回もまた多かったですね〜大変だったでしょう?
テンジク
ええ、少しだけ....(本当はめっちゃ大変)
テンジク
ところでこの商品って、いつもこの後どうなるんですか?
某メーカー
ああ、これはですね、このあと○○県の山奥で...
某メーカー
産業廃棄物として燃やされるんですよ

燃やされるんですよ

燃やされるんですよ

燃やされるんですよ

燃やされるんですよ....

テンジク
は?

このとき思わず仕事の取引先の人に「は?」って言ってしまいました。

テンジク
えっと、これリニューアルしますけど、ちなみに中身も変わったんですか?
某メーカー
いや、一緒ですね!
某メーカー
外のデザインだけ変わりました!

自分がいつも大変な思いをして梱包していたものが、このあと山奥で燃やされるだけの運命だという事をここで初めて知ります。

さらに、その燃やされる商品はまだ使えるという事と、廃棄の理由がパッケージデザインの変更という事だけだと知り、私は全身の力が抜けてしまいました。

テンジク
なんだか、凄くバカらしくなりました...そしてまた新しい商品くるし...
某メーカー
そうですよね!

掘った穴をまた埋めるみたいなね!

掘った穴をまた埋める

掘った穴をまた埋める

掘った穴をまた埋める

掘った穴をまた埋める....

フリーズする私。

某メーカー
はっはっは...じゃあこれ持っていきますね!
某メーカー
あ、これ新商品のサンプル、良かったら使ってみてください!
テンジク
....ありがとうございます。
某メーカー
お疲れ様でーす!

新商品がパウチされた小さなサンプルをもらった。

テンジク
この新商品のサンプルを作るのにまたデザイナーと工場が消耗しているのか...

嬉しいとかいう感情はなく、すぐに旧デザインのサンプルがびっしり詰まった段ボール2ケースが目に入って憂鬱になりました。

新商品が出たという事は、今ある商品のサンプルは旧デザインという扱いになります。
まあ、旧デザインも配るけど、「これ前のデザインなんですけど中身一緒なんで使ってください!」とか一言添えて配る事になるわけですね。

私はボーっと虚しくなって、その後の残りの勤務時間をどう過ごしたか記憶がありません...

この時、大量に返品した商品は何だったかというと、液体のハンドソープでした。

https://kayoreena920.com/india-solp/

インドでクラウドファウンディングに挑戦〜スラム街に石鹸を届けたい〜 vol.338

最近インドでどうにかして石鹸をリサイクルしようと頑張っている人の記事を読んで、私は過去にハンドソープを大量に返品した時の記憶を思い出してしまいました。

メーカーさん、必要としている人に届ける為にかかるコストよりも、日本で燃やした方がコストが低いのですか?

欲しいと思っている人にリサイクルするか、燃やすくらいならもう作らないとか、どうにかして欲しいです。

2017/09/26 23:59まで

補足

この、某メーカーの彼の一言だけでは記事にできないので、産業廃棄物について調べてみました。

  • 企業の、「産業廃棄物処理業者による不正流通について」という発表もたまに見かけます。
    廃棄品を不正に流通して転売したりするという実例があるという事は、まだ使えるものだから転売できるわけです。
    産業廃棄物というのは必ずしももう使えない・もう食べられない物ばかりではないといのが実情です。
    産業廃棄物処理業者による不正流通について
  • 産業廃棄物と検索すると、『産業廃棄物を回収・運搬する』という内容の求人も存在します。
    やはりこの国はどこかでまだ使える物を燃やしているんだという事はわかりました。
    当たり前っちゃ当たり前の事かもしれませんが、日常生活をしていてなかなかここまで想像する機会もないなと思います。

地球環境の事まで考える余裕はない

義務教育の年齢の時から「地球環境の事を考えましょう」とかエコについて学ぶ機会や、夏休みの宿題でポスターを描かされたりした事は何度かありました。

最近だと、2月4日に前日の売れ残った節分の恵方巻きが大量に廃棄されるニュースが毎年流れます。

キャスターの人は「どうにかしないといけないですねぇ...」というようなニュアンスの深刻そうな顔を一度だけ見せたら、またすぐに新しいニュースを淡々と読み上げていく。

私は「ああ、いま環境に悪い事をしているんだな」と一瞬だけ考えて日々の事に追われすぐ忘れてしまう。

ここで、こんな事を書いたところで私は地球なんて救えない。

ドラッグストアで働いていた当時の私は、地球の事まで考える余裕なんてなくて、自分がしていた作業がいかに無駄な事だったのかを知って絶望をしていました。

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なぜすぐ辞めなかったのか

ここまでの内容だと、ドラッグスアで働きたいなと思っている人の意欲がごっそりなくなってしまうかもしれません。

自分で文章にしてみて、「この作業大変だったな..今だったらできないかも」と、なぜか書いた自分が一番驚いています。

毎日忙しくて商品管理に追われていたはずなのに、通算6年働いていたんです。

こんなにきつくて面倒な仕事だったのに、私がすぐに辞めずに続けられた理由を書きました。是非あわせて読んでほしいです。

辞める理由のとどめの一撃

ドラッグストアで働くときつい事がたくさんあるので「辞めたい」という言葉が脳裏をよぎる事はよくありました。

でも不思議な事にそう思った直後に限ってお客様から褒められたり、売り上げが良かったりして疲れが吹っ飛んでしまうんです。

私がドラッグストアを辞めた理由は、メーカーさんと交わした会話がきっかけで「辞めよう」という決意が固まった事がまずひとつ。

そしてもうひとつは、2014年の4月1日から消費税が5%から8%に上がると決定した事がとどめの一撃でした。

増税のニュースを見た時に、自分の財布の懐の心配よりも真っ先に、店内の値札をすべて貼り替えるという業務を想定したからです。

したくない。

増税は、次のステップへと、私の背中を押してくれたのでありました。

まとめ

私がドラッグストアを辞めた理由

  1. 繰り返される商品の入れ替わりに疲れた。まだ使える物が産業廃棄物として燃やされる事がわかって馬鹿らしくなったから。
  2. 消費税の増税で、店内の値札を全て貼り替えるという作業がしたくなかったから。
    以上

いかがでしたでしょうか?是非、あなたの感想を聞かせてください。

テンジク(ikinaritenjiku)

次回予告

この記事を書いているうちに内容がどんどん膨らんでいってしまい、記事の内容を分けました。

現在、私のドラッグストアでのある一年のスケジュールについて書いています。

これを12ヶ月分書き終えてまとめているのですが、当時の私は限定パッケージのお菓子とか、消臭力とか消臭元に頭を悩まされていたようです。
あと、『ドラッグストアからドラッグストアの転職は楽勝』という記事も書きたいです。

完成したらまたお知らせします。

気になる記事

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