テンジクです。
インターネットのご縁により、みなさまから頂いたアドバイスのおかげで2017年末、いとこの過労死について労災申請をすることができました。
労災申請について私がどう考えたかをここに残します。
労災申請についてわかったこと
弁護士の方に作成していただいた書類の一部
1年分の資料を調べ、これだけの書類をまとめるという事。自分ひとりではきっと難しい事でした。
もし何もわからないまま一人で労働基準監督署に行ったなら、何度も出向かないといけなかったかもしれません。弁護士の方まで繋げていただいて、本当に感謝しています。
労災申請についてわかったこと
労災申請をすることで
・「自分ができる限りの事をやれた」と心が軽くなる人もいる
・申請のために必要な資料を見てツライと感じる人もいる
過労死について資料を揃えるというのは、目を見開いて悲しい現実を直視するということ。心にのしかかる負担です。
私の場合は労災申請をする事で、結果的に心が少し軽くなりました。きつい過程もあったけど申請してよかったと思っています。
周囲の反応はというと賛否に分かれていました。いえ、一部をのぞいて、賛否じゃなくて否否でした。
労災について周囲の反応
・申請をしなかったら「え、しないの?泣き寝入り?」と言われ
・申請をすると「そんな事して故人が喜ぶか?」「出しゃばり」と言われる
「そんな事して故人が喜ぶか?」は、自分が気にくわないのに故人という第三者を引き合いに出した卑怯な意見です。「あなたの為に」も、無視して構いません。
申請したとわかると、ぴたっと黙る人もいます。
※親族との関係はいたって良好です。このサイトについても理解してもらっています。
労災申請するか悩んでいる人へ
もしかするとあなたは「時間的に不可能」「予算的に無理」という理由から、諦めろという意見をはなから押し付けられるかもしれません。
でも、どれだけ時間と予算が注げるかなんて自分が一番わかるのだから、他人の意見ではなく自分の気持ちを優先させてほしいです。
私の場合は自営業で時間の自由が利いたことと、申請についてはボランティアで相談に乗っていただきました。
とにかく自分の心を基準にする
納得がいくまで向き合いたいと考えているのに、「人に迷惑をかけてしまうかも」という気持ちから自分の望みにフタをしてしまう人もいるでしょう。
私の体験から言えるのは、どうしたら自分の気持ちが軽く明るい方に向かうかを基準に考えてほしいです。なぜなら、どうしたら気が晴れるかなんて自分にしかわからないから。
自分以外は他人。いま生きている自分の心の声を優先する。
正解は自分の中にある。
迷ったら労力と結果をてんびんにかける
もし迷っているのなら、申請にかかる労力とその先の結果を天秤にかけてみてはいかがでしょうか。
労災申請を経験した方々の話をうかがった時、みなさんに共通していたのはお金ではなく心の問題でした。ここでいう結果とは自分の心がどれだけスッキリするかということです。
書類をたくさん用意して事実を追求しても死人は生き返らない
という人もいれば
どんなに時間がかかってもいいから本当の事が知りたい
と考える人もいます。あなたがどう思うかが正しい答えです。
- 亡くなった人の尊厳を守るために
- これ以上犠牲者が出ないために
- 自分が納得するために
いろんな動機があっていいのです。
相手に対して
個人的にいま思っていること
私が怒った最大の原因は、相手の対応が横着だった事です。なぜ来たのかと思うほど葬儀中の態度にも腹が立ち、たくさんのことを考えました。でも今はもう考えたくもないです。
- 自分と考えが違う人を改めさせようとするのはきつい
- このような会社は他にもある
- もっときつい会社も山ほどある
私の場合、怒りの先にあったのは呆れや無に近いものでした。
街を歩いていて嫌でも看板が目に入ってくるのは、いまだに慣れません。
もし仮に…
働いている時間の証拠さえ残さなければどんなに社員を酷使してもいい
こう考えていてタダ働きをさせる会社がまだあるのなら、そんなずるいことをする後進的な会社は自然と淘汰されていくような社会になってほしいと考えています。
事業を成長させ、大きくすることを目標とする経営者も多いことでしょう。ですが、人の人生や命を奪うまでして、そんなサービスや商品には1ミリの魅力も感じません。
楽しいことに
エネルギーを注ぎたい
私はいま、「悲しいことを考えるエネルギーを楽しいことに向けたい。」と強く望んでいます。
この私の考えを「もう立ち直るなんてドライだ」と感じる人もいれば、その反対に「まだ執着していたのか」と捉える人もいます。
でも、ここは私がどう思ったかを書き記すページなので、誰ひとりからの賛同が得られなかったとしても構いません。
私の考えと反対に「相手が謝るまで許さない」と思う人がいたとしても尊重します。
自分と同じ人間はこの世に一人もいないのだから意見が違って当然。もし同じ考えの人と出逢った時はその奇跡を喜べばいいだけです。
人は死ぬまで選択を続けていく
他のことに
置き換えて考えてみる
労働災害を被りたい人なんていません。そして、労災申請を経験する人はきっと少数派でしょう。
私が少数派だとしたら、この記事は多くの人に関係がない話です。
ですが、この文章は他のことにも置き換えて考えることができます。
・労災申請をしなかったら「え、しないの?泣き寝入り?」と言われ
・労災申請をすると「そんな事して故人が喜ぶか?」「出しゃばり」と言われる
☟
・ A をしなかったら B と言われ
・ A をすると C と言われる
A の部分が、ある人にとっては退学かもしれないし、転職かもしれません。またある人にとっては結婚・離婚など、人生によって様々な選択肢があります。
何をしても他人はとやかく言う
・ A をしなかったら B と言われ
・ A をすると C と言われる
私は今までの人生でこの『何をしても他人はとやかく言う』を何度も経験しました。ある時は退学、またある時は退職について。
他人に言われた方を優先させた時は、たとえいい結果だったとしても何かモヤっとしたものが心に残りました。心がクリアじゃなかったという表現が最も当てはまります。
その反対に自分の気持ちに従った時は、結果が失敗だったとしても後悔はありませんでした。
何度となく自己啓発っぽい本で見かけたような言葉ですが、そう思った人が他にもいるということは、私の考えもあながち間違っていないのかと。
これからも
自分が後悔しない方を選ぶ
これからの人生も、毎日毎分たくさんの選択肢がおとずれます。
私は、自分の心がそうしたいと言っている方を死ぬまで選び続けていこうと決めました。そうした方がよかったから。
労災申請するか迷っている人へ
- 労力と結果を天秤にかけてみる
- ここでいう結果=心がスッキリするか
- 自分以外は他人
- 何をしても他人はとやかく言う
- いま生きている自分の心の声を優先する
- 正解は自分の中にある
私は労災申請をしろと言っているのではありません。あなたは賢いからもう気づいています。
他人の意見によって、自分の気持ちにフタをしてしまった後悔だけは残さないでください。
自分以外の誰でもない、あなたがどう思ったかが正解です。
労災についてインフォメーションを制作しました
ここでは精神論ばかりになりましたが、当サイトでは労災について具体的なインフォメーションもまとめています。
誰かのお役に立てれば。私がたくさん助けてもらったように。
テンジク
2017年 6月22日 いとこ急死
2017年 7月23日 ブログ公開
2017年12月26日 労災申請
2018年 8月 7日 業務上の過労死に認定
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取材・報道していただきました
TBSニュース / JNN
ドイツ語で掲載していただきました
Mein Cousins Tod durch Überarbeitung(WSBI)